今こそ「耐震」に関する基礎知識を改めて確認しましょう②

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■ 耐震性確保のためには何が必要? 求められる基準はさらに高く

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前回のお話では、耐震に関する制度・言葉の再確認をしました。
具体的に、どのような要素が住宅の耐震性能を左右するかについてお話します。

簡単にまとめると、耐震性の鍵を握るのは大きく4つです。

1つ目が「耐力壁の量」
 建物にかかる力を負担してくれる構造壁である耐力壁が多いほど、
 耐震性は高くなります。

2つ目が、「その耐力壁や、耐震性を担う金物の配置バランス」
 建物の片側だけが地震に強かったとしても、安定性に欠けてしまい、
 建物全体の強さには繋がりません。

3つ目が「床の耐震性能」
 縦長の立体を想像してもらうと分かりやすいかもしれませんが、
 真ん中あたりで支えがあるものとないものでは、
 横からの力がかかった際の変形度合いが異なります。

そして4つ目が「建物の重量」
 軽いものよりも重いものの方がより揺れやすいことは
 想像に難くないでしょう。
 求められる耐力壁の量も、屋根の重さによって基準が変わってきます。


4つ目の建物の重量についてですが、
カーボンニュートラルに向けて住宅の高断熱化、
太陽光搭載などが推進されていることもあり、近年は重量化を進めています。

つまり、住宅がより揺れやすくなってきています。
このことを踏まえ、国から求められる耐震性能というのは更に高くなりつつあります。

例えば、「長期優良住宅」に関わる壁量基準が
2022年10月から見直しされています。
それまでの壁量基準は、「耐震等級2又は3」となっていましたが、
「耐震等級3のみ」に変更となりました。

また、2025年4月から、「ZEH水準等の木造建築物の構造基準」が変更となり、
壁量計算、柱の小径が見直されます。

そして、特定の条件下であれば建築確認の審査を一部省略できる
「4号特例」の廃止が2025年4月に施行予定です。

特定の条件下とは、
 ・木造であれば2階建て以下かつ床面積が500平米以下のもの
 ・木造以外の場合は、平屋かつ床面積が200平米以下のもの
を指します。
一般的な住宅の多くがこの条件を満たし、
これまで審査が省略されていました。

しかし改正後は4号が無くなり、
「新2号建築物」「新3号建築物」の2種類に区分されるようになります。

「新2号建築物」は木造2階建・木造平屋建(延べ面積200平米超)で、
審査省略の「対象外」となります。

「新3号建築物」には木造平屋建(延べ面積200平米以下)が該当し、
こちらについては審査省略が継続されます。

この法改正は省エネ基準の適合化に併せてのものであり、
建物の重量化を考慮している部分も大きいです。

国も基準を改め、地震対策をより強化する今、
改めて「地震への備え」を見直しておきたいところです。